2009豊田国際あん馬・つり輪レポート
あん馬
世界選手権ロンドン大会ゴールドメダリストの張宏涛(チャン・ホンタオ選手=中国)が期待通りの素晴らしい演技を披露してくれた。
マジャールシュピンデルから入り、まさに身体を真っ直ぐに伸ばしたままの完璧な旋回で長い演技構成を演じきり、途中で入れた交差倒立もまったく力を使うことなくスウィングのみで上げる素晴らしい実施で、Eスコア9.650のほぼ完璧な演技で優勝を飾った。2位には、小柄ながら非常にスピードのある旋回で定評のあるオーストラリアのセラスライ選手がポメル間のあん部馬背中でのフェドルチェンコを取り入れた演技構成を無難にこなし、3位には終末技のシュテクリA倒立バランスを崩してしまうミスがあったものの交差技の雄大な捌きで定評のあるハンガリーのベルキ選手が入った。
日本選手では、内村選手が新たにマジャールシュピンデルを取り入れた演技構成で挑んがDコンバインで落下。坂本選手は、世界選手権前に痛めた手首の影響からか3回の落下、惜しくも上位入賞はならなかった。
・張選手の演技構成
マジャールシュピンデル~Eコンバイン、シュテクリB、正交差倒立一把手上倒立、シバド移動~ウー・グォニアン~マジャール移動、Eフロップ~シュテクリA倒立3/4ひねり3/3移動下り
つり輪
最初の演技者として坂本功貴選手が登場。アザリアンで入り、引き上げ十字倒立も正しい姿勢で十分な制止時間で力強さを表現したが、後半の振動倒立で若干揺れてしまい、終末技の後方伸身2回宙返り1回ひねり下りも後ろに大きく動き、15.050。
3番手に登場のプルジュニコフ選手(ロシア)がDスコア6.80の演技構成で、十字倒立の姿勢や力静止技の静止時間など不完全な部分も多々見られたが、振動倒立の納め方と姿勢は見事な実施で15.525を獲得。
6番手に登場のユ・ウォンチュル選手も静止時間や実施面で不十分な実施と見受けられたが、Dスコア6.60で15.375。坂本選手を上回り、暫定2位。
続いて世界選手権ロンドン大会チャンピオンの厳明勇選手(ヤン・ミンヨン=中国)が登場、上水平と中水平の区別がつきにくい演技実施だったが、すべて認定されたらしくDスコア6.80の演技構成でEスコアも9.100を獲得、15.900で暫定トップに立つ。
その後、田中選手が素晴らしい実施でEスコア9.200を獲得したがDスコアで及ばず15.300、1位ヤン・ミンヨン、2位プルジュニコフ、3位ユ・ウォンチュルという結果となった。
・優勝した厳(ミン)選手の演技構成
伸腕伸身逆上がり上水平~背面水平に下ろし引き上げて中水平、伸腕伸身逆上がり中水平、後ろ振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ~後ろ振り上がり上水平~ホンマ十字懸垂~背面水平懸垂経過から十字懸垂、後ろ振り上がり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り
結果