ユニバーシアード女子種目別レポート
7月5日(日)最終日、種目別が行われた。各種目のスペシャリストが揃うこの日、全種目において出場権を獲得した田中選手の功績は素晴らしかった。現在の採点規則ではトップ国でもまれに見ないオールラウンダーであることを証明したと言っても過言ではないだろう。
跳馬
最終演技者の田中選手は、1本目ロンダート後転とび~後方伸身宙返り1回ひねり(13.750)、2本目前転とび~前方宙返り1/2ひねり(13.475)を着地まで余裕のある跳躍でまとめた。しかし、Dスコアがトップ選手には及ばず7位(13.612)という結果であった。
段違い平行棒
5番目の演技であったが、トカチェフでバーの近い実施となり、また低棒移動1/2ひねり倒立はD難度に認められずDスコアを下げてしまったが、下りの着地までしっかりと決め13.875と結果6位であった。
平均台
2番目の演技で、片足踏み切り前方宙返り~後転とび~後方屈身開脚宙返りの組み合わせを加点が得られるように実施を試みたが承認されず、さらに羊とびの姿勢不良が見受けられDスコアを伸ばすことができなかったが、後方屈身2回宙返り下りまで気のゆるむことのない素晴らしい演技を披露した(13.700:6位)。
ゆか
7番目の演技順で、アップが終了してから大分時間が空いてのスタートとなった。1本目の前方伸身宙返り2回ひねりで前に大きく1歩出てしまったが、2本目のかかえ込み2回宙返りと3本目の組み合わせのアクロバットは着地まできれいに決めた。ラストの後方屈身2回宙返りで着地姿勢が前にかかり、大きく1歩出てしまったが、3日間の計12演技を大きなミスを出すことなくフィニッシュした(13.525:7位)。
競技の総評
メダルには届かなかったものの、試合後、帯同審判に日本女子は世界の各審判員の評価は高かったという朗報を聞いた。今大会の代表選手は、長身の選手が多くその恵まれたスタイルをしっかりと生かした演技を披露できる選手が揃っていた。日本が強化し続けている「美しい体操」をアピールできたものの、トップの国とはDスコアの差があり過ぎる。2年後のユニバーシアード大会は、ロンドン・オリンピック大会の前年であり、どの国も自国のプライドを背負って挑んでくるであろう。これから2年の強化で、引き続き美しい体操と失敗しない高い競技能力を向上させつつ、Dスコアの強化に励み、メダルを獲得することを目標に歩んでいきたい。
最後に、試合会場にて、声援を送って下さった男子役員や選手のご家族の方々、ビデオ撮影を協力して下さった男子審判員、会場まで足を運んで下さったドクター、今大会を支えて下さった全ての方々に心より感謝し大会報告とする。
田中キャプテンのコメント
他国の強い選手に比べ、Dスコアが低く勝負できないということを強く感じたので、これからもっと技を増やし、同じスタートから戦えるようにしたいと思いました。
今回、ユニバーシアード日本代表になり、キャプテンを務め、皆と力あわせて満足できる試合ができたのは、ずっと近くで見守ってくれていた監督、コーチ、スタッフ、審判、応援してくださった方々のおかげだと感謝しています。今回は何の不安もなく思いきって演技をすることができました。 ありがとうございました。今回の経験を生かし、これからも頑張ります。
跳馬、種目別決勝