DTBポカール・レポート
期日: 平成20年11月11日(火)~11月18日(火)
場所: ドイツ国 / シュツットガルト
参加国: 男子33カ国98名参加 女子18カ国39名参加
26回目を迎えたDTBカップ(DTBポカール)には、男子33カ国98名、女子18カ国39名の選手が出場した。また、個人総合大会のチャンピオン・トロフィー大会には、7カ国8名の選手が出場した。今年から、従来のDTBカップ(ワールドカップシリーズ・ドイツ大会)に、新たな試みとして、個人総合大会のチャンピオン・トロフィー大会が同時期に開催された。
大会会場は、両大会とも昨年の世界選手権大会時に本会場横のサブ会場となったポルシェアリーナで行われた。DTBカップ決勝には5.500名の観客、チャンピオン・トロフィー大会には5.000名の観客で会場がいっぱいになり、非常に盛り上がった大会となった。
日本選手の演技内容(開始種目の演技順に報告)
種目別予選(11月14日)
<鉄棒>
田中(JPN) A=6.2 B=9.075 15.275 5位通過
アドラー1回ひねり~ヤマワキ、エンドー、アドラーひねり、シュタルダーひねり両大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、1回ひねり大逆手、アドラー、伸身新月面
*全体的にスムーズで、よい出来だった。着地はわずかに一歩前。
水鳥(JPN) A=6.5 B=8.475 14.975 10位 リザーブ2
アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身コバチ、コールマン、コバチ、リバルコ片大逆手、エンドー、ツォリミン、伸身新月面
*エンドーで両肘が曲がり倒立を経過。予定していたホップターンを実施出来なかった。
<あん馬>
田中(JPN) A=5.6 B=8.300 13.900 15位 予選落ち
マジャール移動、シバド移動、Eフロップ、Dコンバイン、ループ、Bバック、Bシテ、下向き転向、セアひねり、下向き逆移動倒立3部分移動下り
*Dコンバイン後、馬端の背面支持をした所で落下。
水鳥(JPN) A=5.5 B=8.425 13.925 14位 予選落ち
Bバック、前移動前とび、シバド移動、Eフロップ、Dコンバイン、下向き1080、Bシテ、ループ、下向き転向、セアひねり、DSA倒立下り
*Eフロップ時に左膝後ろをポメルに強打し、その後に実施が全体的に不安定になった。
<平行棒>
田中(JPN) A=6.5 B=9.400 15.900 2位通過
腕支持前振り上がり開脚抜き倒立、棒下ひねり、棒下、屈身ベーレ、後方車輪、ベーレ、ツイスト、Dツイスト、単棒横向き閉脚抜き倒立、屈身ダブル下り
*着地も決まり、素晴らしい実施であった。
種目別決勝(11月15日)
<平行棒>
田中(JPN) A=6.1 B=8.100 14.700 8位
腕支持前振り上がり開脚抜き倒立、棒下ひねり、棒下、屈身ベーレ、後方車輪、ツイスト、Dツイスト、単棒横向き閉脚抜き倒立、屈身ダブル下り
*屈身ベーレですべり、その後のベーレを実施する事が出来なかった。また、着地の際にも両手をつく大過失をしてしまった。
田中選手の平行棒
<鉄棒>
田中(JPN) A=6.2 B=9.200 15.400 5位
アドラー1回ひねり~ヤマワキ、エンドー、アドラーひねり、シュタルダーひねり両大逆手、エンドー1回ひねり両大逆手、1回ひねり両大逆手、アドラー、伸身新月面
*着地も決まり、全体的に素晴らしい実施だった。
上位陣の各スコアは、1位=7.1(B=9.175)、2位=6.8(B=9.00)、3位=6.8(B=8.70)であった。
種目別決勝 各種目優勝者演技構成(11月15日)
<ゆか 優勝者>
HAMBUECHEN Fabian (GER) A=6.5 B=9.125 Pen=0.1 15.525
後方伸身2回宙返り1回ひねり、テンポ~後方2回半ひねり~前宙ひねり、後方1回半ひ ねり~前宙1回ひねり~前宙転、トーマス転、ゴゴラーゼ、十字倒立、サルト
<あん馬 優勝者>
ZHANG Hongtao (CHN) A=6.8 B=9.500 16.300
シュピンデル、Eコンバイン、リーニン、逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過振り下ろして開脚支持、シバド、ウゴニアン、下向き1080、マジャール、Eフロップ、DSA倒立3部分移動下り
<つり輪 優勝者>
YAN Mingyong (CHN) A=7.3 B=9.350 16.650
アザリアン~中水平~十字倒立、ホンマ十字~十字倒立、ジョナサン、振りあがり上水平、ホンマ中水平、振り上がり倒立、伸身サルト
<跳馬 優勝者>
BOUHAIL Thomas (FRA)
1, ルー・ユーフ A=7.0 B=9.325 16.325 16.200
2, ローチェ A=6.6 B=9.475 16.075
<平行棒 優勝者>
FENG Zhe (CHN) A=7.0 B=9.200 16.200
腕支持前振り上がり開脚抜き倒立、棒下ひねり、棒下1回ひねり、前方開脚5/4宙返り支持、脚前挙、閉脚シンピ、ヒーリー、棒下、前方開脚5/4宙返り腕支持、屈身ベーレ、ベーレ、屈身ダブル下り
<鉄棒 優勝者>
HAMBUECHEN Fabian (GER) A=7.1 B=9.175 16.275
屈身コバチ、コールマン、シュタルダー1回ひねり両大逆手、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身トカチェフ、リバルコ、アドラー、ホップターン、伸身新月面
チャンピオン・トロフィー(個人総合)大会(11月16日)
水鳥(JPN) 91.700 個人総合2位
<ゆか> 15.075
前宙2回ひねり~前宙ひねり、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねり~前宙ひねり、テンポ宙~かかえ込みトーマス転、後方宙2回ひねり、フェドルチェンコ、後方宙2回半ひねり
*第2タンブリングの終末技が前宙ひねりになってしまったため、価値点を落とした。それ以外はしっかりと着地までまとめた内容であった。
<あん馬> 14.725
Bバック、前移動前とび、シバド移動、Eフロップ、Dコンバイン、下向き1080、Bシテ、ループ、セアひねり、DSA倒立下り
*安定した演技を実施した。また、終末技はC難度でまとめた。
<つり輪> 15.400
振り上がり中水平、ピネダ、引き上げ中水平、ヤマワキ、ジョナサン、ホンマ十字、 ほん転倒立、グチョギー、後方車輪、ルドルフ
*ほん転倒立で少しバランスを崩しかけたが、演技全体をまとめ上げた。
<跳馬> 16.125
ドリッグス
*着地でわずかに右に動いたが、ほぼ完璧な実施。
<平行棒> 14.350
腕支持前振り上がり開脚抜き倒立、棒下ひねり(落下、難度なし)、棒下、屈身ベーレ、モリスエ、ベーレ、ツイスト、後方車輪、後ろ振り上がり開脚入れ支持、屈身ダブル下り
*棒下ひねりが中途半端な捌きとなり落下した。その後の演技は安定した演技であった。
<鉄棒> 16.025
アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身コバチ、コールマン、コバチ、リバルコ両大逆手、エンドー1回ひねり片大逆手、ツォリミン、ホップターン、伸身新月面
*着地も決め、全体的に素晴らしい実施の演技であった。
個人総合優勝者の演技構成 DEVIATOVSKI Maxim (RUS) 92.000
<ゆか> 15.000
後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねり~前宙1回半ひねり、伸身サルト、前宙2回ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、後ろとびひねり宙返り、サルト
<あん馬> 14.775
セアひねり、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴニアン、下向き1080、マジャール移動、シバド移動、B前移動、DSA倒立下り
<つり輪> 15.550
逆上がり中水平、振り上がり上水平、ナカヤマ、アザリアン、け上がり脚前挙、身腕伸身力倒立、ほん転倒立、ジョナサン、ヤマワキ、振り上がり倒立、伸身サルト
<跳馬> 15.925
ローチェ
<平行棒> 15.450
腕支持前振り上がり開脚抜き倒立、棒下、棒下ひねり、後方車輪、ベーレ、ヒーリー、ツイスト、Dツイスト、単棒横向き開脚浮き腰支持経過倒立、屈身ダブル下り
<鉄棒> 15.300
アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身トカチェフ、アドラーひねり、エンドー1回ひねり両大逆手、1回ひねり両大逆手、アドラー、背面車輪、伸身サルト
<選手のコメント>
水鳥寿思
今回は種目別と個人総合にエントリーしました。最初の種目別予選では、器具への対応やコンディションを合わせきれず、納得のいかない演技内容になってしまいました。個人総合では、平行棒でのミスが響きましたが、他の種目ではいい演技が出来たのでよかったと思います。優勝のチャンスもあった分、2位というのは悔しい思いです。次にまた出場の機会があれば優勝したいと思います。
田中和仁
思うような結果が残せませんでしたが、色々な面での課題が見つかり、いい経験になったと思います。一発勝負、ここ一番での勝負強さの大切さを感じました。
個人総合