スポーツ選手活用体力向上事業報告:静岡
1)講師 水島宏一
2)場所 静岡県磐田市立豊田小学校
3)期日 平成23年11月1日
4)対象 4年生:72名 5年生:86名
5)趣旨
児童の体力は、平均的な体力だと言える。しかし、幼い頃からの運動経験の不足から、技能的に劣る面も見られる。また、運動をよく行う児童と、そうでない児童の「二極化」も深刻な問題となっている。本事業を通じて、運動することの楽しさをより味わい、主体的に運動をする児童が増えることを期待する。
6)事業内容及び感想
はじめに、4年生の鉄棒運動の授業を行った。活動に入る前に鉄棒運動は、すぐにできる運動ではなく、一段一段階段を登るように練習することでできるようになる継続することの大切さについて話をした。その後、軽く準備運動を行い、鉄棒に慣れるための運動遊びを行った。内容は、だんご虫でジャンケンやツバメ、ツバメから手放し。そして、他にも色々な運動を組み合わせて体を慣らした。これらの運動後、前方支持回転を行った。最初は回転中に体が伸びてしまい、ドスンと落ちていたが、前に回転する時のポイントを教えていくと、回転スピードが上がり、もう少しでできるようになった児童が増えた。さらに、ひざ掛け振り上がりを指導した。指導ポイントとして、かけていない足を振ることと、腕を曲げながら鉄棒に体を引きつけることを教えた。子どもたちは、お互いに指導のポイントを教え合いながら活動的に技を練習していた。最後にコウモリ振り下りの前段階の両膝かけ倒立おりを指導した。この時、倒立になる前に少しでも手をつく位置を前にすることで、体を前後に振る動きを覚え、コウモリ振り下りに役立つことを教えた。はじめは、倒立の際にうまく体を支えることができない児童がいたが、数をかけることで、どんどん上手くなり、体を自分で前後に振り始める子どもたちも見られた。
子どもたちの活動後に前方支持回転の連続やコウモリ振り下り、ひざ掛け上がり、ももかけ上がり、け上がりの見本を行った。
はじめは、鉄棒上での支持さえもままならなかったが、気が付くときれいな姿勢で、支持ができるようになったり、勢いよく回転できたりと、本当にのみ込みが早く、どんどん上手になって行く様子が見られた。これも、児童たちが素直で指導したことを守って実践し、さらに、活発に楽しそうに活動的に動いてくれた結果だと感じた。
5年生は、跳び箱運動を行った。内容は開脚跳びと台上前転である。活動する前に、跳び箱運動の大切なポイントである、腕のジャンプについて話をした。その後、軽く準備運動を行い開脚跳びを行った。子どもたちにポイントである腕のジャンプを促すために、着地前に顔の前で手を叩くよう指導した。はじめは、恐怖心もありうまく叩けなかったが、慣れてきたら叩くことができて、上体も起きるようになり、大きな開脚跳びが見えるようになってきた。次に台上前転を行った。台上前転は、やはり恐怖心が先立つのか手をつく前にスピードが落ちてしまい、その結果、お尻を上げることができなかったり、勢いよく回転できない子どもたちが多く見られた。そのため、跳び箱の高さを全部2段に設置し直し、お尻をあげることと、手で支えて頭を入れることを指導した。活動を続けながら上手く回れる班は、少しずつ高くして行くよう指導したところ、台上前転が少しずつうまく回れるようになった。また、台上前転の苦手な子どもたちには、ソフトマットの上に通常のマットを敷き、ある程度高さのある柔らかい場で練習してもらった。その結果、跳び箱上での台上前転ができるようになった。
5年生は、前向きな姿勢で技にチャレンジする子どもたちが多く、指導していても実に気持ちが良かった。
最後に校長先生や教務主任の先生、そして担任の先生方には、準備や事業中に色々とお世話になりました。この場を借りて、お礼申し上げます。